日本にとって地理的・歴史的にも近い存在である台湾では、現在、死刑制度の存廃を
めぐる議論が行われています。
各種世論調査においては死刑制度を支持する意見が多数を占める一方、2024年には、
一定の厳格な要件の下で死刑制度を合憲とする憲法裁判所の判断が示されるなど、制
度の在り方をめぐる議論は複雑な様相を呈しています。これには政治的な対立も影響
しています。
2025年9月、京都弁護士会(死刑制度廃止検討委員会)は台湾を訪問し、国家人権委
員会、現地の弁護士会、法務部等に対する調査・ヒアリングを実施しました。
その結果明らかになったのは、「廃止か存置か」という単純な二項対立ではなく、民
主主義社会において「人の生命と刑罰」にいかに向き合うべきかについて、台湾社会
が深い模索を続けている姿でした。
本報告書は、台湾における最新の状況を整理するとともに、同じく死刑制度を有する
日本にとっての示唆を提示するものです。
法曹関係者のみならず、広く社会の在り方について関心を有する方々にご覧いただけ
れば幸いです。

