- 日 時 2022年12月18日午後1時
- 場 所 立命館大学朱雀キャンパス
- テーマ #冤罪 ~『まちがい』と向き合う これからの日本の刑事手続~
近時、えん罪をめぐる裁判の動きが多く報じられ、再審法改正の必要性も叫ばれる状況の中、えん罪の防止と早期救済の実現をテーマに第52回「憲法と人権を考える集い」を企画しました。
実行委員会では、Z世代と呼ばれる若い世代に関心を持ってもらうことを目標に広報や企画内容を工夫しました。
当日の様子はYouTubeでもご覧いただけます。
広報宣伝
広報宣伝用のショートドラマ「冤罪事件ファイル」を公開し、様々なえん罪ドラマを配信しました。新聞やテレビではなく、SNS等で情報収集をするであろうZ世代に届けるためです。
そして、当日の模様はウェビナーで配信して、どこからでも見られるようにしました。おかげで各地の市民、日弁連や単位会会長等にも御覧いただけました。
ドラマ「#えんざい」の上映
パソコン遠隔操作によるコンサートの爆破予告による威力業務妨害罪をテーマにオリジナルドラマを制作し、上映しました。主人公以外は、当会の会員が配役をつとめましたが、迫真の演技が好評でした。
YouTubeに、フルバージョンを公開しております。
大学生による研究発表
立命館大学、同志社大学の学生が、文献調査、弁護人やえん罪被害者の聞き取り、事件現場の実地調査などを行い、第1部「えん「罪はなぜ起こるのか」、第2部「再審は機能しているのか」と題して発表してもらいました。えん罪を防止するためには弁護人の立ち合いが必要であること、えん罪被害者を速やかに救済するためには証拠の全面開示と再審開始決定に対する検察官の抗告を禁止する立法措置が必要であることの報告がされました。
西山美香さんのインタビュービデオ
湖東記念病院事件のえん罪被害者西山美香さんに弁護団の1人の山﨑委員長がインタビューしたビデオを上映しました。警察の強引で巧妙な取り調べの実態や無実の証拠が警察によって隠匿されていた実態が生々しく語られました。
パネルディスカッション
市民目線からの議論をしてもらうため、朝日放送テレビアナウンサーの岩本計介さんにコーディネーターをしていただき、渕野貴生立命館大学教授、笹倉香奈甲南大学教授、鴨志田祐美会員、津金貴康会員によるパネルディスカッションが行われました。第1部では、取り調べへの弁護人の立ち合いは、捜査の本質を前提にすれば、弁護人依頼権だけではなく、黙秘権の保障の観点から根拠づけられ、現行法のもとでも認められるべきであるとの見解が、第2部では、証拠開示の必要性、検察官抗告を禁止する正当性が示されました。大変にわかりやすく有益なディスカッションでした。
最後の寸劇
委員長の閉会挨拶の直後、檀上に警察官役の会員3名が押し入り、委員長を令状逮捕するという寸劇を敢行しました。せっかくの有意義な企画を台無しにしないか不安はありましたが、聴衆には意外と受け、誰でもえん罪で逮捕されるかもしれないという印象をもってもらえたようでした。
総動員による企画
今回は、企画が盛りだくさんで、配信をするということから、準備が大変でした。しかし、辻孝司事務局長の敷いた完璧な布陣により、広報班、シナリオ班、学生班、パネルディスカッション班、総務班、舞台進行班などが十分に実力を発揮し、成功させることが出来ました。
なお、来場97名、視聴204名(最大同時視聴136名)でした。